【トレードの基礎】板情報の見方と板を上手に利用するコツを伝授【暗号資産(仮想通貨)】
暗号資産(仮想通貨)の板取引の見方がよくわからない人
「暗号資産(仮想通貨)の板取引の見方がよくわからない。どのように見て、どう使えばいいの?誰か教えて欲しい。」
このような悩みに答えます。
- 板取引の板情報の見方
- 板情報の利用の仕方
- 板情報の裏話
- 板情報を上手く利用して取引するコツ
板情報は株の取引では当たり前ですが、株をリアルタイムで取引したことがない人や為替FXしかトレードしたことがない人にはよくわからない情報だと思います。
この板情報を利用して罠を仕掛ける人達もいますので、注意してください。この記事ではそれも説明します。
もくじ
◆ 暗号資産(仮想通貨)の板取引の見方
こちらをご覧ください ペア:SOL/ ETH
これは海外暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンスというところの取引画面です。
上図左側にあるカラー数字の羅列が「板」と呼ばれるものです。
下は国内取引所 ビットバンクのチャート(使いやすい) ペア:BTC/JPY
これは、国内暗号資産(仮想通貨)取引所のBitbankの取引画面です。
こちらでは右側に板情報があります。
板情報の見方(知ってる方は飛ばしてください)
ペア:SOL/ ETH
真ん中の黄色枠の数字は、直近で取引が成立した金額。(右のドル表示はドル換算した時のレート)
上下の区別
- 黄色枠より上が売りたい人の「売り板」
- 黄色枠より下が買いたい人の「買い板」
と呼ばれている
ここに売り板18、買い板18ずつ並んでます。
売り板に並んでいる売りは、売りたい人が指値をしている。
買い板は買いたい人が指値をしている。
共に誰かが買ってくれる(売ってくれる)のを待ってる状態。
左右の区別
- 左列の色付き数字がETH価格を表す数字
- その右が売りたい(買いたい)SOLの数量を表す数字
- 一番右側がETHのトータル数量(価格×数量)
ここまでが板情報の見方です。
◆ 板情報の利用の仕方
板情報には次のような利用方法がある。
- 価格の自動入力
- 力の強弱・力関係を見る
- チャートの節と板を照らし合わせる
順に説明します。
価格の自動入力
一番左の価格をクリックすると、取引画面の価格のところに自動入力される。
(だいたいどこの取引所でもそうなっている)
力の強弱・力関係を見る
売り圧力が強く、下方向に価格が向かっている時は、売り板の数量が多くなる。(こういうのを「売り板が厚い」と言う)
逆に買い圧力が強く、上方向に価格が向かっている時は、買い板の数量が多くなる。(こういうのを「買い板が厚い」という)
買いを例にして解説
先ほどの板情報で解説します。
ざっと見たところ、売りも買いもほぼ均衡している感じなので、どちらが有利とは言えない。(この場合はチャートも参考にするが、今は板情報だけで判断する)
こういう場合は狭い範囲で上下動をすることが多いから、なるべく直近で約定した値に近いところで指値をしたい。(売り板に買いをぶつけて成り行き買いをしてもいいが、指値前提で解説する)
なので、この場合では一番上か、二番目に指値をすることになる。
※ だいたいの人がこれくらいは理解していると思います。
チャートの節と板を照らし合わせる
この図の黄色い線が重要な節(レジスタンスライン)と思っていると仮定します。
この黄色い線の値が0.0257だとしましょう。
板情報を見て、この値が売り板の上に表示されたら、その下にある厚い売値を探します。
パターン1
自分が買いを既に持っていて、どこで利確しようか考えている時。
そんな時は上記の厚い売値の下に手仕舞いの売りを逆指値で仕掛ける。
パターン2
まだ買いを持っていなくて、これから買いたい時。
レジスタンスだと思っている0.0257を超えたら買いたいので、本来なら0.0257より上の値に買いの逆指値を置くのだけれども、板情報を見た時に0.0257よりも0.0250の方がはるかに分厚い売り板があれば、それより少し上に買いの逆指値を置くという方法もある。
このようにリアルタイムで力の強弱を計るのに板情報は便利だけども、これを利用して罠を仕掛ける人達もいる。
◆ 板情報の裏話
前述では板情報で力の強弱が読み取れると書いたが、そのことを利用する人達がいます。
こういうのを「見せ板」という。
見せ板とは
見せ板とは、売る気もないのに大きな売り板を見せて、市場参加者に弱気と思わせたり、買う気もないのに大きな買い板を見せて、市場参加者に強気と思わせたりするために行う。
なぜそんなことをするのかというと、
大きな資金を持っている人達が、大きな買いポジションを持とうとして大量の枚数を買ったら、自分たちの買いで価格がどんどん上昇してしまい、不利になってしまうから。
それを回避するために
売り板に厚い売りを見せて、他の売りたい人達を安い価格で売らせる。それを少しずつ拾って買いポジションを増やすというわけ。
この図で言えば黄色枠がそれっぽいが、静止画でみてもこれは判断がつかない。見せ板かどうかを判断するためには、この分厚い板がしょっちゅう移動しているかどうかを見る必要がある。
例えば売値が真ん中の白い枠に近づいてきたときに、この売り板が消えて、少し上に移動するような動き。こういう動きを何度もしている場合は見せ板の可能性が高い。
なぜなら、彼らは本当は買いたいのだから、売れてしまっては困る。あくまでも弱く見せる為だけの売り板なので、売れそうになると上に移動させる。
見せ板のやり方
同じ人達が売りにも買いにも見せ板を出すことがある。
この理由は彼らは安く買いたいのだが、買った後は上昇してもらわないと利益にならない。
だから、自分たちの売り板で相場が崩れて下降トレンドになっても困るから、ある程度より下がらないように、厚い買い板も置くというわけ。
そして、厚い売り板と厚い買い板の間で買い集める。
図解説明
時間推移後の板情報
ちょっと数字が見づらいと思いますが、枠で囲ったところが見せ板の可能性が高い板です。
売り板にある3つの売り注文(枠内の注文)はすべて売り価格が上昇している。
例えばピンク枠は、0.02583→0.02588 に変わっている。
買い板にある3つの買い注文(枠内の注文)もすべて買い価格は上昇している。
例えばピンク枠は 0.02574→0.02582 に変わっている。
ピンク枠の上にある買い板も同じ人達の買い板です。(他の人の買い注文に混じって少しずつ買い注文を出す。)買い板注文で買い集めるか、安い売り注文がたまったら、それを買うかの2通りあります。
初心者ほどこの大きな数字にビビッて買いポジションを持っているのなら売ってしまうし、ポジションを持っていないのなら、売りポジションを持ってしまう。
そして相場が上に動きだした時は、手仕舞った人は悔しいからもう一度買い直したり、売りポジションを持った人は買いの手仕舞いをすることになる。これらの買いで価格はさらに上昇していくという仕組み。
◆ 板情報を上手く利用して取引するコツ
見せ板の理屈がわかってしまえば、今度は逆にこれを利用する側に回ればいい。
つまり
- 大きな売りの見せ板があれば、最終的には上がる可能性が高い。
- 大きな買いの見せ板があれば、最終的には下げる可能性が高い。
買いと売りとどっちが本命かを見極める必要があるが、これは難しい。(通常はチャートなどと複合して判断する)
初心者の方にはこれは無理なので、まずは板の数字の動きをよく観察し、見せ板かどうかの判断に慣れる必要がある。
見せ板の判断ができるようになれば、次は上昇するか下落するかを予測し、結果と照らし合わせる。この精度が上がれば、だいぶん板情報を読めるようになってきているので、それを利用して売買してもいい。
以上、ほとんどの人が知らない板情報の裏話とそれの利用方法でした。
まとめ
- 板情報の価格をクリックすると、取引画面の価格に自動入力される。
- 板情報とチャートの節を使って効果的な場所で売買できる。
- 板情報には相場の勢いや方向性が現れる。
- 見せ板という偽の売り板、買い板を出す人たちがいる。
- 見せ板を利用して売買することもできる(中級者以上向け)
✓このような視点で板情報を見てください。見えるものが違ってきます。
チャート分析に興味がある方はこちらの記事が役立ちます。
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