【テクニカル分析の基礎】インジケーターの正しい使い方の解説【初心者】
テクニカル分析でインジケーターの使い方を知りたい人「暗号資産(仮想通貨)チャートのテクニカル分析でインジケーターを使いたいけど、どれを使えばいいの?沢山あり過ぎてわからない。パラメーター数値はいくつがいいのかな?」
このような疑問に答えます。
- 暗号資産(仮想通貨)テクニカル分析でのインジケーターの役割
- オシレーターを使う際の注意点
- 使えるオシレーターはどれか?
- テクニカル分析でオシレーターをどう使うか?
これを書いている私は、FXと株で15年のトレード歴があります。その中で使ってきたインジケーターは「ボリンジャーバンド、モメンタム、ATR、RSI、MACD、ストキャスティクス、SMA、EMA、DMI、RCI、平均足、DMI、一目均衡表、・・・など」
この経験から学んだ、使えるインジケーターとその使い方を紹介します。
もくじ
◆ 暗号資産(仮想通貨)テクニカル分析でのインジケーターの役割
インジケーターにはさまざまなものがあり、正直あり過ぎます。
ボリンジャーバンド、移動平均線、一目均衡表などのトレンド系
その他に平均足など含めると軽く60種類以上はあるでしょう。
✓ その中で今回はオシレーター系だけに絞って解説します。
◇ テクニカル分析でオシレーターの役割
結論:相場を診断する材料がオシレーター。
いまの相場はどのような状態にあるのか?それを数値なりグラフなりで可視化したものがオシレーターです。
例えば、心臓病を調べるのに心電図を計りますよね?あれと同じです。
◇ 多くの人がしてしまう過ち
私も最初はそうでしたが、「オシレーターがこうなったから上がる」「オシレーターがこうなったから下がる」という考え方は間違ってます!
ローソク足が陽線になったから価格が上がったのではなく、価格が上がったからローソク足が陽線になったことは誰でも理解できますが、これがオシレーターになるとなぜか勘違いしてしまう。
形のパターンで未来を予測はしますが、数値そのもので予測することはできません。売られ過ぎの数値だからこのあと上がるとか、買われ過ぎの数値だからこのあと下がるということはない。
◇ イーサリアムチャートで説明
イーサリアム日足チャート
ここではRSI(上)とMACD(下)を表示してます。
RSIでの解説
水色線がRSIが買われ過ぎ水準をオーバーしたところ。ご覧のように水色線①以降も上げてます。そして水色線②以降は下げてますが、売られ過ぎ領域まで下げることなく上げてます。(RSIについては各自ググってください)
そして注目して欲しいのが、黄色線①と重なってますが、RSIは綺麗に下げてます。同じように黄色線②のところもRSIは買われ過ぎ領域から綺麗に下げてますが、その後の値動きは線①と線②とでは違います。
当然と言えば当然のことで、RSIは価格が出来上がってからその数値を確定しているからです。このようにある程度RSIが動いてからでさえ、その先を予測することはできません。あくまでも「それまでの値動きからすると今は買われ過ぎです。」ということを示しているだけ。
重要なので、もう一度書きます。
RSIは未来を予測するものではなく、今現在の状態を数値とグラフで示めしているだけです。
MACD(マックディー)での解説
もう一度この図を見てください。
黄色線はMACDがGC(ゴールデンクロス)、DC(デッドクロス)した箇所です。黄色線①ではその後も上げてますが、黄色線②ではその後は下げてます。だけど、これをもって勝率5割と考えてはいけません。(MACDについては各自ググってください)
黄色線②以降に価格が下げたのはMACDがDCしたからではなく、価格が下げたからMACDはDCしてその後も下げたというだけのこと。
黄色線③も同じです。ここではGCしてから綺麗に上昇してますが、これの本当の意味は価格が上がったから、MACDも上げただけです。少し見づらいですが、黄色線④でMACDはDCしてます。だけど何事もなかったようにその後上昇している。(このようなことはよくあること)
上記の事を踏まえて続きのチャートを見てください。
ここでは説明しませんが、ご覧のようにRSI、MACDのサインは役に立たないことがわかります。
ここで次に人はこう考えます。
「パラメータを変えればいいのではないか?」
みんなこう考えます。私も考えました。笑
パラメータとはオシレーターの数値のこと。パラメータを変更することで、数値を小さくすれば反応が早くなる代わりにダマシも多くなる。反対に数値を大きくすれば、ダマシは減るが反応が遅くなる。
結局どの数値に変更しても、メリットとデメリットがある。
◆ オシレーターを使う際の注意点
これは主に2つ
- パラメーターを最適化すると使えなくなる
- 複数のオシレーターを導入しても同じ
◇ パラメーターを最適化すると使えなくなる。
オシレーターを検証をする時は、すでに出来上がったチャートで確認することになります。なので、みんな最初は出来上がったチャートで機能するようにパラメーターをいじって最適化をしてしまう。
ところが上述したように、値動きありきでオシレーターは数値を決定しているので、最適化すればするほど過去のチャートにしか使えないものになってしまう。
そしてもっと悪いことに、最適化できたことで魔法のランプを手に入れた気分になって、相場の現状を正しく判断できなくなり、ナンピンなどをして負けが膨らむ原因にもなる。
◇ 複数のオシレーターを導入しても同じ。
一つのオシレーターのダマシを排除できない時に次に人がやることは、複数のオシレーターを導入すること。これにより、1つのオシレーターの欠点を補おうとする。
しかしこれはオシレーターを増やせば増やすほど、エントリー機会がどんどん減っていき、数少ないエントリーに寄せる期待がどんどん大きく膨らむ。そのことで利確や損切に悪影響を及ぼす。それに、いくつ組み合わせてもダマシは完全に排除できない。
ダマシありきで考える。というのが究極の答え。
◆ 使えるオシレーターはどれか?
結論:どれでもいい。
がっかりしたかもしれないが、どれでもいいから使い続けることが重要。私はいろんなオシレーターを使ってきたが、結局遠回りしただけだったことに気付いた。どのオシレーターも勝てる時期もあれば負ける時期もある。
前述した通り、現在進行形の価格が第一で、それが確定してからオシレーターの数値が確定する。そのため、どのオシレーターも未来を予測させてはくれない。ではなぜ使うのか?はこの後の「インジケーターをどう使うか?」で解説します。
インジケーターは代替えできる
ちなみに上述したMACDですが、これは移動平均線と価格との関係を表してます。
先ほど表示したMACDはデフォルトで「短期12」という数字に設定されてたものです。
なので、パラメーター12の移動平均線(12SMA)を表示するとこうなります。
ご覧の通り、12SMAに対してローソク足がGCしたりDCしたりすれば、MACDもGCしたりDCしたりするのがわかると思います。わざわざMACDを見る必要もなく、ローソク足と移動平均線でわかることです。
他にもMACDにはゼロより上か下か?といった意味合いがありますが、ダマシがある以上は、これらもあまり意味がありません。(それより重要値のサポートライン、レジスタンスラインなどと組み合わせた方がいい)
こんな感じで他で代用できるオシレーターもあるし、売られ過ぎ買われ過ぎ指標のオシレーターはだいたい同じ動きをしますから、どれを使ってもあまり変わらない。(だからどれでもいい)
そんな中でもいまだに私が使っているのはRCIです。RCIには時間の概念が含まれており、波を形成していきます。ご存じの通り、チャートは波を形成しながら動いていき、一直線には進みません。しかしRCIは海外では使用しないらしく、インジケーターのデフォルトには入っていない。(使いたくても使えない)
◆ テクニカル分析でオシレーターをどう使うか?
オシレーターの使い方は3つ
- ダイバージェンスを利用する
- 環境認識で使う
- エントリースイッチとして短い足で利用する
順に解説します。
◇ ダイバージェンスとは
ダイバージェンスとは価格が上昇(下降)してるのに、オシレーターは逆に下降(上昇)した動きをした時のこと。
先ほどと同じイーサリアム日足チャートを見てください。
水色の矢印がダイバージェンスをしてる箇所を表しています。このチャートでは3回ダイバージェンスが起こっていて、どれもその後にエントリーしていれば利益が出てます。
もちろんこのダイバージェンスにもダマシはあります。ただ、日足のような時間軸の大きいものになると、ダマシは少なくなります。(逆に時間軸の短いものはダマシも多くなる)
このダイバージェンスは他のオシレーターでも出てきます。今回表示しているMACDではダイバージェンスがはっきりとは確認できませんが(一番左はダイバージェンスが起きている)、パラメーターを少し変えるとMACDにもダイバージェンスが現れます。
◇ 環境認識で使う
いま相場はどのような状況か?それを日足などの大きな時間軸で確認するときにオシレーターを使用します。大きな時間軸になるほどダマシは少なくなるので、「いま買われ過ぎだな」「売られ過ぎだな」とか大まかな状況を把握するのに使います。
◇ エントリースイッチとして短い足で利用する
環境認識で使っている時間軸でダイバージェンスが起きたとします。そういう時はエントリーする時間軸に切り替えて、実際のエントリーのスイッチとしてオシレーターを使います。
エントリースイッチとして使うオシレーターは買われ過ぎ、売られ過ぎと共にGCやDCサインがあるものがいいです。そのGCやDCをエントリースイッチとして使います。
まずは環境認識でダイバージェンスを確認
イーサリアム日足チャート
※ 今回は「MACD(上)」と「ストキャスティクス(下)」を表示しています。
青枠で囲ったところでダイバージェンスを確認したら、エントリーする足に切り替えます。これは1時間足。
ダイバージェンスをしっかり確認した後、1時間足に表示したオシレーターでサインが出るのを待ちます。図では黄色線がストキャのサインで白色線がMACDのサイン。
このチャートではストキャの方は損切です。
MACDは2回チャンスがあり、損切をどこに置くのかによって結果は違ってきますが、直近高値に置いた場合なら、どちらでエントリーしても利益がでてます。
✓ 以上のように、オシレーターのサインだけでエントリーするのではなく、まず他の条件を作り、それを満たした場合にエントリースイッチとして使うのがオシレーターの安全な使い方です。
他の条件なしでオシレーターサインだけで入っていたら、ロスカット貧乏になるだけでしょう。
※ ローソク足組の解説やトレンドライン、移動平均線などの解説記事をこの後にまとめてあります。
トレードの勉強を始めるなら
◆ トレードを真剣に学びたい人は、こちらの記事は必読です!
どこにも書いてない稼ぐトレーダーになるための10ステップのロードマップを無料公開してます。
【保存版】トレードで稼ぐための10ステップ完全ロードマップ【重要】
トレードで稼げるようになりたい。どうすればトレードで稼げるようになれる?稼ぐトレーダーになるためには何をすればいい?FXや暗号資産(仮想通貨)FXを始めたいけど、勝てるようになれるか不安・・・こんな悩みに答えます。
公開してる間にどうぞ。【有料級記事】
まとめ:暗号資産(仮想通貨)テクニカル分析・インジケーターの正しい使い方
本記事の要点まとめ
- テクニカル分析でのインジケーターの役割は相場を診断する材料(環境認識)
- オシレーターを使う際の注意点
・ パラメーターを最適化すると使えなくなる
・複数のオシレーターを導入しても同じ - インジケーターはどれでもいい
- テクニカル分析でオシレーターをどう使うか?
・ダイバージェンスを利用する
・環境認識で使う
・エントリーする短い足で利用する
◆ 今回は初心者だけでなく、中級者向けにも役立つ内容です。おそらく一回読んだだけでは理解できないと思いますし、数回読んでも実際に自分で失敗をしないと、ここに書いてある記事の重要性に気づかない人がほとんどだと思います。
ここまでオシレーターの本質について書いてあるものを私は見たことがないし、ほとんどの解説は見方・使い方ばかりで、危険性については書いてません。もしトレードでオシレーター地獄に迷い込んだら、再度この記事を読んでください。
テクニカル分析に役立つ記事
チャートのテクニカル分析に役立つ記事
» チャートの分析方法の解説・ライン編【超基本】
» チャートの分析方法の解説・トレンドライン編
» チャートの分析方法の解説・移動平均線編
» チャートの分析方法の解説・ダウ理論編
» チャートの分析方法の解説・グランビルの法則編
» チャートの分析方法の解説・使えるローソク足組5選
テクニカル分析の勉強に役立つ本
ダウ理論を知った上でトレンドラインや水平線、移動平均線を使うとよりトレードの役に立つ。ダウ理論、トレンドライン、水平線は3種の神器だと思っているくらい習得必須。
紹介してる本は練習形式になっているので、ただ読むだけよりは有益な本です。
下記以外にも数冊シリーズ本が出ています。
今だと1か月無料か2ヶ月99円(2022年3月)を上手く使えば、無料で読めるので賢く使いましょう。
◆ FXトレード練習帳
◆ FXトレード練習帳 トレンドライン
私はチャートを見ただけでトレンドラインが想像で引けるようになるために、何十枚もチャートを印刷して線を引きまくりました。
※トレードはスポーツと同じで知識ではなく、技術を習得する必要があります。
◆初心者から中級者までなら繰り返し読んだ方がいい本。
デイトレード
トレードの勉強を始めるなら、大事なお金を失わない為にも読んだ方がいい記事も紹介しておきます。
・【初心者用】投資と投機とギャンブルの違いをわかりやすく解説
・暗号資産(仮想通貨)FXと為替FXの違いをトレーダー目線で本質解説【初心者向】